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October 10, 2008

ハンサム★スーツ

隣の芝はいつでも青い

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【監督】英勉
【出演】塚地武雄/谷原章介/北川景子ほか

亡き母の跡を継ぎ、小さな定食屋を営む琢郎(塚地武雅)。
イタリア修行で鍛えた料理の腕は抜群、懐の寂しい馴染みの
じいちゃんには、タダで毎日、弁当をつくってあげる心優しき男。
常連客の誰からも愛される琢郎だが、唯一、女性にだけはモテない。
モテないどころか、ばい菌扱いされる始末。
それもこれも「超」が付くほどのブサイクだから。
そんな琢郎はある日、人生を変える一着のスーツに出会う。
着ただけで瞬時にしてイケメンどころか、足は伸び腹まで引っ込む
ハンサムスーツ。スーツの威を借った琢郎は
「光山杏仁/ひかりやまあんにん(谷原章介)」
として華々しきモテ男ライフを満喫することになるのだが…。

「人は見かけによらない」「人間、中身が勝負」なんて言葉が山ほどあるのは、
世の中の大半が「外見」で人を判断する風潮への良心の警告だろう。
だが、いくら性格がよくても第一印象で引かれてしまったら、
そこでオシマイなのだ。よほど絶世の美男美女でもない限り、
容姿にコンプレックスのない人間はいない。ブサイクを徹底的にくさす
容姿ネタというのは、下手をすれば観る者に共感を呼ぶどころか、
反感や嫌悪感を覚えさせかねない。
物語は、徹頭徹尾、勝負のスタートラインにすら立てないブサイク男、
琢郎の悲痛な叫びに沿って展開されるが、塚地武雄の笑顔と
コミカルすぎる演技が笑うことへの罪悪感を吹き飛ばしてくれる。
谷原章介のはじけた演技もおかしい。

映画では、派手で誰もが憧れる大きな幸せと、地味で属人的な小さな幸せが
対比される。こちらに身を置けば、あちらのほうが素晴らしいものに見える。
隣の芝はいつでも青い。琢郎が下した決断は、人生をハッピーに生きるには
心がけ次第とやんわり説くかのよう。
主題歌、渡辺美里の「My Revolution」はじめ、劇中で流れる久保田利伸の
「LA・LA・LA LOVE SONG」、佐野元春の「SOMEDAY」など、80年代懐メロ
オンパレードが作品を盛り上げる。腹の底から笑って、笑い泣きが感動の涙に
変わる体験をしたいアナタにお勧めしたい。

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