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September 05, 2007

さらば、ベルリン

あなたの忠実な豚になりたい。

20060921_126908

【原題】The Good German(2006米/ワーナー/108分)
【監督】スティーブン・ソダーバーグ
【出演】ジョージ・クルーニー/ケイト・ブランシェット/トビー・マグワイア


スーツはもちろん、軍服も白衣も着こなせちゃう。
足を組んで椅子に座る姿、片手で頬杖つく姿。
どんなポーズをとってもいちいちオーラが滲み出てくるカッコマン。
だのに、嫌味なところがまったくない。
ぱりっと清潔、背は高いし、笑顔はとろけそうに素敵。
だのに、見てくれだけの男じゃない。
才能豊かで、真顔でユーモアを飛ばすお茶目さあり、
面倒見のよい頼れるアニキ感もあり。
そんなジョージ・クルーニーには、女性だけじゃなくって男だって落ちるでしょ?

一般公開に先駆け、ジョージ×ソダーバーグ監督の新作、
『さらば、ベルリン』をよみうりホールにて鑑賞。
全編モノクロの本作は、大戦直後の実際の映像を差し挟みつつ、
『カサブランカ』『第三の男』などの40年代アメリカ名画に
見られるクロースアップやローアングルといった古典的撮影手法
を全面的に取り入れて描いたサスペンス映画だ。

第二次世界大戦終結直後、いまだ混乱の続くドイツ・ベルリンを
取材のため訪れた、ジョージ扮するアメリカ人記者のジェイク。
彼の運転手を務めるのは、童顔で人の良さそうなのは見せかけだけ、
戦争で一儲けを企む腹黒い駐留米兵のタリー(トビー・マグワイア)。
何の接点もなかった二人は、謎めいた美女レーナ(ケイト・ブランシェット)
をめぐり、米軍、露軍それぞれが水面下で追う、ある男と、
彼を取り巻く秘密と陰謀に否応なく巻き込まれてく。

『ピースメーカー』以来の軍服姿のジョージには、
もろ手を挙げて、文句なしに見惚れてしまうのだが、
ケイト・ブランシェットの美しさにも、うっとりさせられる。
「映画はスターを見るためのもの」という常識のもと、40年代当時の
映画制作で最重視されていたのは、スターをアップで撮ることだった。
クロースアップに耐えうるクラシカルなお顔立ちの女優といったら、
イマドキはケイトを置いてほかにはない。切り取られたワンショットの輝きは、
『カサブランカ』のイングリッド・バークマンとタイマン張れちゃうほど、まばゆい。
運命に翻弄されるか弱き女性が、おのれの欲のまま動く男どもを相手に、
徐々にファムファタールとしての本性を発揮していくときの、目の凄み。
その冷たいキレに、ぞくぞくしてしまう。

ストーリー的には、引っ張るだけ引っ張っておいて…あら、そうなのと、
「謎とき」の部分にやや物足りなさを感じた。同じく大戦直後を題材にした
サスペンスものの『ブラックブック』のほうが、脚本としては練られていて面白い。
しかし、本作はとにかく、レトロな音楽とモノクロの陰と光が織りなす
古典的フィルムノワールの雰囲気に酔いしれるための作品なのだ。

Clooneypigジョージの熱狂的なファンとして思いきりツボだったのは、
ジョージがケイトに向かって言う「脱がせて」というセリフ。
激渋の良面オヤジにこんなこと言われたら、
嬉々としてのけぞりますね。
その場合にはケイトのようにネクタイからではなく、
質実剛健、ベルトからいかせていただきたいと思います。
…と、妄想花盛りなほど、映画の余韻が止まりません。

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